
マンションのドアレンズ(ドアスコープ・のぞき穴)と書きましたが戸建ての玄関についているドアレンズも同様ですので、今回は玄関扉のドアレンズ全般の秘密とその問題点を解説し、なぜ交換が必要なのかを分かりやすくお伝えします。
ドアレンズの解説
玄関扉から目線の位置よりちょっと下についているドアレンズ。これは室内側から外の様子を見ることが出来る為にあるものです。

ドアレンズは2つの部品から出来ており、ドアレンズ用の穴があいた玄関扉を挟んで、一つは室外側から、もう一つは室内側からねじ込んで設置されているだけとなっています。

ではこのドアレンズにはどのような防犯上の問題があるのか次の項目から書いていきます。
問題点1:室外側から見える
室内側からドアレンズを通して室外側を見た時に魚眼レンズのように見えると思いますが、これは光の反射と屈折を利用している為で普通に外から見ただけでは室内の様子がほとんど見えないようになっています。しかしこの反射と屈折を相殺するスコープを使えば室外側から簡単に、そして鮮明に室内を見ることが出来ます。
ちなみにこのスコープは普通にネット上で販売されています。

本来の目的は鍵を開けて室内に入る前に不審者がいないか確認する為に使う防犯グッズです。
しかし誰でも購入可能で、手で握って隠せるサイズですので100%悪用されていないとは言い難く、のぞき等の犯罪に使われている可能性もあります。
対処方法は室内側のドアレンズにカバーをして外から先ほどのスコープのような特殊な道具を使われても室内が覗けないようにすることです。

写真のように室内側にスライド式のカバーが付属されているものだと普段はカバーが障害となって外から見られることがなく、室内側から外を確認する時はカバーをスライドさせれば通常のドアレンズとして使えます。
問題点2:外側から簡単に外せる
全てのドアレンズではありませんが70%以上のドアレンズは外(室外側)から簡単に外すことが出来ます。最初にドアレンズについて解説した通り、2つの部品を玄関扉を挟んでねじ込んで留めているだけですので外側から半時計回りに回しながら引っ張る力を加えるとポロっと取れます。
ドアレンズが簡単に取れると何が問題?
ドアレンズを玄関扉から取るともちろんそこには穴があります。単純に室内を覗けるという問題もありますが、一番はその穴から特殊な工具を使って施錠している鍵のロックを解除される可能性があるということです。
詳しくは書けませんが、普通に考えると穴に工具を差し込み、それを使って室内側の鍵のつまみ(サムターン)を不正に操作できる可能性は高いです。しかしこれらに関しては誰でも簡単にできる対策があります。
一度ドアレンズを扉から外し、再度付け直す時に接着剤を使ってねじ込むようにします。接着剤が固まってしまえば外からドアレンズを外すことは難しくなり相当の手間がかかります。
これはドアレンズを使って室内から外が確認出来ないというデメリットがありますが、何らかの方法でドアレンズの穴自体を塞げば除きの心配もドアレンズを外される心配もありません。方法はいくつかありますが賃貸物件の場合は扉の補修工事があるので難しいかと思いますが、持ち家の場合は大工さんに頼めば何らかの方法で埋めてくれます。
比較的新しいマンションなどの玄関扉の場合は防犯対策として外から簡単にドアレンズが取り外せないような仕様になっているものもあります。確認方法はドアレンズを外してみて扉に開いている穴が完全な丸ではなく一部直線になっています。この場合は外からの取り外し対策済みの製品になります。

結局どうすればいいの?
いろいろお伝えしましたが、一番現実的で誰でも出来る簡単な対策は
カバー付きのドアレンズに交換して設置する際に接着剤を付ける
ということです。
これで十分です。カバーが付いているので特殊なスコープで覗かれても室内は見えませんし、接着剤をつけてねじ込むことで外からは電動工具を使わないと外せません。賃貸マンションにお住まいの方にとってはドアレンズの見た目も変わらない為、不動産会社に連絡する必要もありません。また簡単に自分で交換出来ますので工事も不要です。
カバー付きのドアレンズ(ドアスコープ)はいろいろありますが、だいたいどれも同じで重要なのは今玄関についているドアレンズの色(だいたいシルバー・ゴールド・ブラウン)に合わせることと、扉の厚みだけです。(※普通の標準的な扉の厚みは3.5cm~4.2cmです。)穴の大きさはどれも同じです。
まとめ
玄関扉の室内側に両面テープで何か塞ぐものを貼る方法もありますが、ドアレンズ自体が外から取り外される可能性があるのと、賃貸の場合は退去の時に両面テープの跡が残ってしまって修繕費がかかるケースがあります。やはり一番確実で簡単なのはカバー付きのドアレンズに接着剤をつけて交換することです。