【解説】フィリピン長期滞在は観光ビザで可能/2020年版情報

フィリピン観光ビザ解説。長期滞在

フィリピンにおけるビザの種類の中で、観光ビザやツーリストビザという名称のビザはありません。一般的にそう呼ばれているだけで正式には9A(Temporary Visitor Visa)という名称になります。
今回は分かりやすいようにその9Aビザを以下「観光ビザ」と記載して長期滞在時のことを解説します。

入国時は実はビザなし(30日間)

普通の日本人がフィリピンに入国する場合、ビザは免除されています。(ビザなしで入国可・無査証)。

その為、特に事前の手続きをしなくても日本のパスポートがあればそのままフィリピンへ入国し、旅行などを楽しむことが出来ます。旅行だけでなくフィリピンに英語留学に行く日本人も同様になります。

ただしその場合、滞在期間が30日間以内と確認出来る証明が必要となります。それが入国から30日以内にフィリピンを出国する航空券です。(場合によっては捨てチケットとなります)。

滞在が初めから30日以上を予定している場合は、観光ビザ(9A・temporary visitor visa)を事前に日本国内で取得可能です。ただその場合、手続きが煩雑で時間もかかりますので普通はこれを行いません。

最長3年間の滞在が可能

観光ビザでも最大3年間、一度もフィリピンを出国することなく滞在することが可能です。ただし、観光ビザの延長手続きを定められた期日内に移民局で行うことが必要です。

移民局ロゴ

移民局でのビザ延長手続き

先述したようにフィリピンへの入国から30日未満であれば、事前のビザ取得なしで滞在することが可能です(事前のビザ取得の必要がないだけで立場は観光ビザです)。

滞在が30日以上になる場合は、入国から30日以内に移民局で観光ビザの延長手続きを行う必要があります。それを初回の延長手続きと呼びます。この初回の手続きで延長可能な日数は29日となります。

移民局は日本人の間では一般的にイミグレーションと呼ばれていますが、正式にはBI(Bureau of Immigration)になります。

初回のビザ延長手続きの方法

移民局(BI)での手続きは簡単です。自分が滞在する地域の移民局オフィスに行き、そこにある書類に記入しお金を払うだけです。
必要なものは現金とパスポート、またパスポートの顔写真のあるページとフィリピン入国のスタンプが押されたページそれぞれのコピーになります。初回手続きにかかる費用は約2,000ペソ(4,500円前後)です。

通常手続きした日から数日後に手続き完了となりますので、スタッフに言われた日にちに預けたパスポート等を受け取りに行く必要があります。もし手続きした当日に全て完了させたい場合は「Express Fee」として追加1,000ペソ程を支払うことにより可能です。

※移民局オフィスによっては初めからこのExpress Fee 1,000ペソを追加しれ手続きする所もありますので、それが不要であれば最初に確認しましょう。また手続きした時間帯によっては翌営業日となる場合もあります。

移民局のオフィスに行くタイミングは入国から20日が過ぎた頃になります。土日、祝日は営業していませんので、期限に余裕を持って手続きしましょう。万が一期限を過ぎても手続きは可能ですが、ペナルティとして500ペソ前後 / 月 かかり、オーバーステイ状態(不法滞在)となり、その間に事件に巻き込まれた場合等は面倒ですので注意しましょう。

2回目のビザ延長手続き

入国から30日間のビザなし期間と、初回のビザ延長手続きで可能な29日間の合計59日間以上フィリピンに滞在する場合は2回目のビザ延長手続きが必要になります。

この2回目の延長手続きは延長する期間が30日間(約3,500ペソ)と60日間(約4,000ペソ)で選ぶことが可能です。ただし、どちらの場合もその時点でフィリピン滞在期間が60日間を超えていることになりますので、ACR-Iカードというものを同時に申請して取得する必要があります。

ACR-IカードはALIEN CERTIFICATE OF REGISTRATION IDENTITY CARD の略で、取得にかかる費用は約3,000ペソです。有効期間は1年間となります。これは公的な身分証として扱えます。

赤枠がツーリスト用のACR-Iカード

ACR-Iカードは申請してからカードの発行、受取りまで約1ヵ月かかります。通常は受取れるようになったという連絡は来ませんので、申請して1ヵ月を目安に移民局のオフィスに行って受け取るようにしましょう。

ビザ延長料金は変更される

今まで記載したビザの延長料金は目安になります。この延長料金は予告なしに変更されることがあり、実際に頻繁に変更が行われております。インターネット上に書かれている料金がどれも異なるのはこの為です。

ただ変更幅は大きくなく、少し安くなったり、少し高くなったりという具合ですので、ある程度余分に現金を持っていく程度で良いでしょう。

ビザの延長にかかる費用は滞在期間によって異なりますが、全期間の平均目安として30日間で4~5,000円前後です。

ECCの取得

フィリピンでビザの延長を何度か行い、滞在期間が6ヵ月を超える場合は、フィリピンを出国する際にECCという証明書が必要になります

ECCは Emigration Clearance Certificate の略で、フィリピン滞在期間中の犯罪歴の有無や、適切にビザが更新されているかを証明する書類です。

ECCの取得はビザの延長手続きと同様に移民局で行えます。ECCの有効期間は1ヵ月となり、出国の航空券がないと手続き出来ません。よってフィリピンを出国する航空券を購入後、出国日の2週間前には手続きしましょう。

申請してから書類の発行、受取りかかる期間は通常3~4営業日ですが、余裕をもって行う方がよいです。

最長3年でも一度出国すればリセット

前述したようにビザの延長等を繰り返すことにより最長連続3年間(36ヵ月)フィリピンに滞在することが可能です。
これは一度フィリピンを出国し、また再入国すれば、また最大連続3年間滞在することが可能ということを意味し、事実上、ビザの延長とフィリピンからの出国を繰り返すことにより半永久的に滞在することが可能となっています。

まとめ

このように長期滞在も可能なフィリピンですが、ビザの更新等はしっかり行う必要があります。たまたま延長手続きを忘れた程度であれば、少しの罰金で済みますが、故意に不法滞在を行うと、悪質な場合には大きな問題になる場合もあります。

また観光ビザでは長期滞在は出来てもフィリピン国内で就労は出来ませんので注意しましょう。最近は外国人の違法就労により、逮捕・強制送還されているケースも多いです。

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