
ブラック企業勤務でつらい。それでも真面目で忍耐力がある人ほど入社した会社を辞めずに頑張る傾向にあります。過去に私も社内で上司の怒号が飛び交う会社に勤めて営業をしていました。
当時の心境
当時同時期に入社した人は6人。皆20代前半でしたが半年で私以外が辞めました。私は短期間で辞める根性なしに思われたくない、社内で認められたい、と今思えば会社というとても狭い環境の中で自分を良く見せようと無駄でつらい我慢をしていました。
退職
運よく営業成績は可もなく不可もなくでしたが(給料は手取りで約16~20万・都内)、社内では中堅社員も怒鳴られるような光景を頻繁に見かけてビクビクしながら過ごしていました。営業なので外回りも最初は頑張っていましたが、新規営業だった為、簡単に契約が取れる訳もなくだんだんサボり始めるようになり、公園のベンチで「一体何をやっているんだろう」と思うことが増えました。会社に行くのは本当に嫌でしたが、継続は力なりという勘違いで1時間半の満員電車に揺られ出勤し、やりがいどころか生きた心地のしない勤め人生活を結局1年半続けました。
辞めた日のことはよく覚えています。ある朝、外回りをするという名目で会社を後にして行く宛てもないままブラブラ歩いた後に、公園のベンチに座り「もう辞めよう、こんなこともうしたくない」と思い立ち、そのまま上司に電話。そして会社に戻って話をして何とか辞めることが出来ました。

退職後
退職してからの予定もなく、一人暮らしで貯金も20万円くらいしかありませんでした。それにも関わらずとりあえず1ヵ月は転職活動もせずに家でゆっくり過ごそうと決めてダラダラ生活を続け、その後にお金がなくなったので当時コンビニに置いてあった無料の求人誌で見つけた会社に転職しました。何もしない1ヵ月の期間は何をしていたのかは思い出せませんので、おそらく本当に何もしてなかったのだと思います。
辞めて後悔なし
今振り返ってもあの時辞めて良かったと思っています。もっと言うと変なプライドを持たずにもう少し早く決断出来ていればと思う程です。ただ今のようにブラック企業という言葉も情報もなく世間を知らなかったということもあり、石の上にも三年に似た精神で我慢していたと思います。
その会社が全てではない
私の勤めていた会社は残業代はもちろんありませんでしたが、休日出勤まではなかったのでよく耳にする悪質なブラック起業という訳ではなかったと思います。しかし社内で怒号、時には上司が部下に暴言、恫喝、暴力もありました。
もし今ブラックだと思われる会社に勤めている人で辞めたいと思っている場合は個人的に辞める決断をした方がいいと思います。仕事はどうしても生活の中心ですので、勤めている会社の環境が全てだと思いがちになってしまいますが、そうではありません。
辞めた後のことが心配であれば私のように無計画に辞めずに転職先を見つけてから辞めることも出来ます。もちろん人生には時に我慢は必要ですが、理不尽なことを長期間我慢するほど人生は長くありません。
お金の心配
以前ツイッターで「1億円あれば悩みのほとんどが解決できる」という投稿を見かけたことがありますが、確かにその通りだと思います。それほどお金は無視出来ないものなのは確かです。
ブラック起業でも給料がものすごく良ければいいですが、そんなことはほとんどないと思います。多くの会社の経営者は従業員を生かさず殺さずで飼っている状態です。辞めたいけどなかなか決断出来ない、そんな環境も会社が作り出しています。そして社長や一部の役員だけ桁の違う高い給料を得ています。言わばその人達の高い給料、良い生活を大多数の社員が支えているという構図です。
私のように20万円の貯金で会社を辞める決断をするのは難しいかもしれませんが、では100万円あればいいのかというと実際あまり関係ないと思います。それが1000万円でも一生暮らしていけませんので、どこかで何かして働かなくてはいけません。従って貯金がないからという理由ではほとんどの人が会社を辞めれなくなります(失業給付金もあります)。
将来の心配
今の生活は現在進行形ですので予想出来ますが、辞めた後は未知の世界ですので心配だという気持ちは理解出来ます。誰しも新しい一歩というのは怖いものです。しかしその怖さのほとんどは時間が解決してくれますし、踏み出してみないと本当に心配するほどのものかは分かりません。
今の状況はそれぞれの人しか完全に理解出来ませんので万能なアドバイスはありませんが、精神を病んでまで一つの会社に依存することはないと思います。それぞれの人の人生はその会社の社長や役員達の為にあるのではないのです。
誰かに話す
最後になりますが、こういう話は実際の職場環境を知らない人に相談しても理解されずらいかもしれません。ただ一人で抱え込むより、ただ誰かに話す、聞いてもらうということをすれば、その最中に自分でも気付かなかったことを発見することがあります。頭の中でぐるぐる考えを巡らせるのは良くありませんので、紙に書いたり、誰かに相談という形で聞いてもらったりしてみましょう。
現在は無料の相談窓口がたくさんあります。直接電話で相談しづらい場合は問合せフォームという形で相談できる一般社団法人ボイスという相談窓口もあります。こういう行動も小さな一歩ですので気軽にいろいろ試してみると何か道が開けるかもしれません。
最近は会社を辞めづらいという人向けに退職代行サービスというものあります。退職代行ガーディアンという合同労働組合が運営するサービスを利用すると、退職にあたり代行サービス・フォローを専門に行ってくれます。これは労働組合は労働組合法6条で労働者のための代理交渉が許可されている正式に認められた活動ですので気になる方は一度問合せしてみるのもいいかもしれません。