【フィリピン】オキュパンシーパーミット(Occupancy Permit) – PHILESSONブログ

【フィリピン】オキュパンシーパーミット(Occupancy Permit)

フィリピンオキュパンシーパーミット解説

フィリピンでは家やオフィス、店舗を使用する前に商業用目的の有無を問わずオキュパンシーパーミット(Occupancy Permit)と呼ばれる占有許可証が必要になります。

取得方法

オキュパンシーパーミット(Occupancy Permit:以下「占有許可証」)は建築工事や内装が終わって使用できる段階になった時に申請します。通常は工事完了までのプロセスの一部の為、担当者が手続きを行い、役所の担当部署(エンジニアリング)が現地調査を行い発行されます。

必要なもの

まず建造物などを建てる場合は原則ビルディングパーミット(Building Permit)が必要になります。日本で言う建築許可のことですが、そのビルディングパーミットが必要です。

ビルディングパーミットを取得するにあたってフィリピンではブループリント(Blueprint)と呼ばれる図面が必要になります。もちろんその他にも必要なものはありますが、大事なのは主にビルディングパーミットとこのブループリントです。後述しますがこれは最低限必須となります。

建築図面通りではない場合

フィリピンの工事はとてもずさんです。本当の大規模工事以外は基本的に棟梁がいて、それを中心にその辺の職人を集めて工事を行います。工期が遅れる確率は非常に高く、常に見張ってないと使用予定の建材をちょろまかしたりします。

見積り自体も信用できないことは多く、追加費用が掛かったりすることもしばしばです。そのような環境ですので図面通りに工事されないこともあります。

基本的に占有許可証は図面通りである必要がありますが、役所の担当もフィリピン人ですので、大きな乖離が無い限りその辺りは上手にやり取りを行えば何とかなります。

ビジネスにも必要

占有許可証はビジネスライセンス取得の際にも必要です。メイヤーズパーミット(Mayor’s Permit)という市長の許可証を得る際の必要書類の一つに含まれています。従ってこれがないと必要書類が揃わないことがあります。

ただしフィリピンはメイヤーズパーミットを取得してからのその他の必要許可証を取得するまでに約3ヵ月の猶予期間があり、メイヤーズパーミットは既に持っているけど占有許可証はまだないという矛盾も起こります。

ビジネスを1年で終了する場合はあまり問題は置きませんが翌年にビジネスライセンスを更新する場合は困ります。なぜならその占有許可書がないままビジネスを行ったということが分かるからです。

リフォームにも必要

ビジネス目的以外でも住居として使用する建物でも占有許可は必要です。特に増築、改築、リフォームを行う時にこの占有許可証の話が出ます。

占有許可証が無い場合

占有許可証がないということはフィリピンでは考えられる事態です。なぜなら担当者がしっかり最後まで手続きを行わなかった、また見積りに入ってなかった、お金を持ち逃げした等の様々な理由から結局誰も手続きを行っておらず、そのまま今まで何とかなっているケースです。

とにかく、まずは紛失して手元にないのか、そもそも手続き申請すらしていないのかを確認しましょう。

いくら探してもない場合は市役所に行きます。そして担当部署(シティエンジニアリング)に行き履歴を確認します。その際にビルディングパーミットを持っていきましょう。誰がどの名称で申請したか分からないとフィリピンの役所では例え履歴があったとしても探せないことがあります。その手がかりとなるのがビルディングパーミットであり、ブループリントであったりします。

もし履歴があれば問題ありません。それを発行してもらいましょう。もしいくら探しても履歴がない場合は改めて占有許可証の手続きを開始するほかありません。

手続き

工事が完了した時に占有許可証が申請されていない状態で真面目に取得するのは相当の手間です。手間だけであればいいですが、おそらく普通にやっていたら無理でしょう。なぜなら工事に携わった多くの担当の承認が必要だからです。

どこにいるのか分からないそれらの人達の連絡先を調べ、一人一人に事情を説明しアポを取ってサインを貰うということはフィリピンでは気が遠くなるような作業です。

申請すらしていない占有許可がこれから必要という人は何らかの事情があると思いますので最短で確実に取得する必要があります。その方法としては先程の市役所の担当部署(シティエンジニアリング)のそれなりに偉い人に直接交渉する方法です。

ただしまったく知らない間柄では難しいですし相手も不審に思いますので出来るならそういった人を知っている知り合いを探して、その人経由で上手に話を進めましょう。ただし間に人がたくさん入ると別の問題も起こるかもしれませんので、紹介してもらうだけで、話は直接行った方が無難です。

話しを進めていくと、いくら費用がかかるという話になりますので、その費用に納得できるのであれば話は早いです。相手は市役所のそれなりのポジションの担当ですのでうまく必要な書類やサインを各所各人からもらってくることが出来ます。

費用は内容によって異なりますが、おそらく割高です。なぜならその人もお金を撒いて手続きを行う必要があるからです。その代わり自分は何もしなくても早くて数週間、かかっても2,3ヵ月で全て完了します。

もちろんしっかりとフォローアップしながらお金を払ったはいいけどやってくれないという状況にならないようにしましょう。

まとめ

フィリピンではあるはずの物がない、また新しく何かが必要ということはよく起こります。そしてそれには多くの書類仕事が発生します。関係機関の横のつながりもない為、あらゆるところで矛盾が起きていますが、都度なんとか対応していく必要があります。

このように煩雑な手続きが常態化している一方、一つ一つの仕事が適当に行われていることが実情です。その結果として問題が発生することもしばしばですが、そのおかげで助かるという場面もあります。

この記事を読んでいる人は占有許可証(オキュパンシーパーミット)で困っているかと思いますが、それらのことを理解してしかるべき人に相談することで最大限スムーズに事が運ぶと思います。くれぐれも近くにいる言うことだけ達者な素人のフィリピン人に任せて失敗しないように注意しましょう。

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