ワキの汗やニオイに悩んでいる人も多いと思います。これは当事者でなければ分からない苦しみであり、誰かに相談することが出来ないことが多いです。私も実は中学生の時からワキガに悩んでいました。いろいろ試した結果、結局治った（正確には解決した）のは20代後半の時です。つまり10年以上もの長い期間をワキガで悩みながら生活していました。
今回はそんな私が「今ワキガに悩んでいる人」に向けての効果のあった解決策・治療法を紹介します。ワキの汗やニオイを気にしなくていい生活というのはそれだけで素晴らしい未来です。今回の話が皆さんの役に立てば幸いです。
こんな悩みをずっと抱えていました
ワキの汗とニオイが気になり始めたのは中学生時代です。もともと汗かきでしたが小学生の時は何ともありませんでした。中学生になるとクラスでイジメがあり、私は当事者でも被害者でもなかったのですが無意識にいつか自分がターゲットになるのではないのかとビクビクしながら学校生活を送るうちにワキに嫌な汗をかき始めました。これがワキガの始まりです。
ただその時は自分自身ワキガだとまだ認識していませんでした。ただどう考えても自分のワキ汗の量が多く、ニオイもクサくて自分以外の同級生にはそんな人はいませんでした。それからワキ汗と匂いを気にするようになったのですが、どうすればいいのか分からずに学校では出来るだけワキを締めていました。その結果ニオイがより増幅されてよりクサくなるという悪循環となっていました。それから10年間はずっと以下のような悩みをずっと抱えていました。
- 常にワキのニオイを気にしている
- 下着に黄色い汗染みが出来る
- 色付きのTシャツを避けるようになる
- 汗染みが目立たない素材の洋服を選ぶ
- ワキ汗のせいで着たい服が着れない
- ワキを出来るだけ閉じないようにして換気をして汗と匂いを軽減させようとする
- 物事に集中したいのにワキのせいで集中力がなくなる
- 人と話す時もワキが気になって話に集中出来ない
- 人混みが苦手になる
- ひじ掛けのないイスなどに座りたくない
- 飛行機や新幹線などの密閉された空間での移動が苦痛
色付きシャツへの憧れ
Tシャツ・ワイシャツで色の付いたものを着ることに憧れがありました。10代から20代は一番オシャレをしたい年頃ですが、私には残念ながらそれが叶いませんでした。色付きのTシャツを着るとたちまちワキの汗が目立ってしまいます。なので色はいつも白、もしくは汗をかいても色が変わらない速乾性の素材のものですが、あまり売っていませんしデザインもオシャレではありません。
社会人になってからもワイシャツはずっと白一色でした。グレーとか薄いブルーとかを着たかったですが、ワキのせいで無理でした。ちなみに中学時代から社会人時代もいつも着替えを持参していました。汗をかいたり、上着に匂いが染みついてしまった時にすぐに着替えられるように予備としていつもカバンにいれていました。
運動でかく汗とは異なる
純粋な運動でかく汗は爽やかで匂いも少なくワキガの汗とはまったく違います。ワキガで困るのは運動をしてなくても暑くなくても汗が出てきて、それが独特のニオイを発することです。これは多汗症も関係していると思いますが暑くもない状況で自分だけ脇に汗をかいているというのは辛いものがありました。
そもそもワキガとは
ワキガの人はワキガに関してある程度の知識を持つことが解決の糸口になりますのでここで簡単に解説します。（既に知っている場合は飛ばして下さい。）
ワキガは腋臭症(えきしゅうしょう)とも言われ、ワキから特有のニオイを発する状態のことを指し、ニオイは汗によって増幅される状態のことを言います。
これは人間が持つエクリン腺とアポクリン腺という2種類の汗腺が関係しており、全身の表面に存在するエクリン腺はサラサラとした汗を分泌しますが、この汗は99％が水分で蒸発しやすいので拭き取ればにおいはあまり気になりません。一方、ワキの下や陰部、耳の穴など特定の部位に存在するアポクリン腺は、たんぱく質や脂質を含んでいるベタベタとした汗を分泌します。この汗がワキガの原因であり、これに含まれる皮脂を身体がもつ細菌が分解する時に強いニオイを発します。
ワキガになってしまう原因
ではワキガになってしまう原因とは何なのでしょうか？これは主に3つの原因があると言われています。
遺伝的原因
もし両親がワキガだとそれが子供に遺伝する可能性があります。特にどちらか一方の親だけよりも両親ともにワキガの場合はより高い確率で遺伝すると言われています。
性ホルモン
性ホルモンにはアポクリン汗腺の働きを活発にする作用があります。この為性ホルモンが活発に働かない思春期までの期間はワキガの症状が見られないことが多くなります。ちなみに女性の場合は、妊娠や出産、生理などの性ホルモンの影響を強く受ける期間に一時的にワキガの症状が出る場合もあると言われています。
生活習慣
生活習慣の乱れによって後天的にワキガになってしまうこともあると言われています。栄養バランスの悪い食生活・過度な喫煙・飲酒、運動不足、またストレスもワキガ発症の原因になり得ます。
ワキガ対策に効果のあったもの・なかったもの
中・高時代はお金もなかったのと現在のようにネットも普及していなかったので情報も少なく一体どうすればいいのか自分では分かりませんでした。そんな中でやっていたことは少ないお小遣いでドラッグストアに行き制汗スプレーを買うことでした。
匂い付きの制汗スプレーは逆効果だった
当時は「クサいのなら別の香りでカバーすればいい」と考え制汗スプレーは香り付きのものをよく買っていました。ただこれは逆効果でした。制汗スプレーの香りとワキガのニオイがミックスされてより不快な匂いが出てしまいました。
制汗スプレーは無香料一択
本当に様々な香り付き制汗スプレーを試しましたがそのほとんどは最後まで使い切ることも出来ないほど効果はありませんでした。ただ高校生の時に試しに買った資生堂が出していた無香料の制汗スプレー「エージープラス（Ag+）」は匂いに関してはかなり効果がありました。現在はエージーデオ２４と名前が変わっていますが、このエージープラス（Ag+）はその時からずっと必需品になりました。
当時は知りませんでしたが「科学の力で、ニオイから解放」というブランドミッションを持って販売された制汗スプレーで、銀（Ag）の科学効果を使っているのが特徴です。もしおすすめの制汗スプレーということであれば確実にこれです。
ワキ臭・皮ふ汗臭・制汗の効果がありますが、制汗については気持ち程度です。しかしニオイが大幅に軽減されますのでとても助けられました。ただし無香料ですがちょっと独特の匂いがほんの少しだけあります。ただ他の制汗スプレーに比べるとかなり少なく、ワキガに悩んでいる人の助けになることは間違いありません。もし仮にこの制汗スプレーがなければ私の人生は違ったものになっていたと言っても過言ではないほどお世話になりました。
ワキの換気が一番大切
ワキから汗が出てしまうのはある仕方ありません。しかし私が中学時代にやっていたようなワキを締めるというのが一番ニオイがきつくなります。出来るだけワキに空気が通るように「換気」が大切です。ただしずっとワキを広げておくわけにもいきませんので下着をなるべく速乾性と消臭力のあるものを使います。
しかし私が学生の頃は速乾Tシャツが発売されたくらいであまり高品質のものはありませんでした。なのでいろいろ素材を確認しながら購入し、実際に着てみて効果があれば大量買いしておくということをしていました。ただ調べてみると現在はかなり効果が期待できそうな高品質な製品が出ていますのでそれらを試してみるのもいいかもしれません。
直ヌリのスティックタイプも使える！
先程制汗スプレーについてお伝えしましたがサイズ的に持ち運びしづらいという問題点がありました。もちろん小さいタイプもありましたが割高ですぐ無くなってしまいます。持ち運びに便利でニオイを抑える効果が抜群なのはデオナチュレの薬用ソフトストーンW（無香料）です。これはスティック式でワキに直接塗って使うタイプで、小さいのに長く使えますのでとても便利です。
ワキのボトックス注射について
制汗スプレーや制汗スティックはかなり助けになりましたが、根本的にはワキガは解決していません。そこで20代後半になった時にボトックス注射を受けてみることにしました。本当に効果があるのか半信半疑でしたが、働いてそれなりのお金もあった為、ダメ元で美容クリニックに行ってボトックス注射をしてもらいました。結論から言うとこのボトックス注射の効果で私の人生は激変しました。
ワキを気にしなくていい生活
このボトックス注射ですが本当にとても効果が高かったです。両脇に何CCを注射したかは忘れてしまいましたが、その2日後からワキから汗がほとんど出なくなりました。汗が出ませんのでニオイもありません。常にワキがサラサラしている状態でこんなことが人生で訪れるなんて予想もしていなかったので本当に感激しました。これは私の日常生活を変えました。今まで我慢していた色付きのTシャツも着れますし、ワキを気にすることが本当になくなりました。その結果自分に自信がついて大袈裟かもしれませんが世界が変わったような気持ちになりました。
ボトックス注射の痛み
本当に効果抜群だったボトックス注射ですが施術もとても簡単です。腋毛も剃ることなく1回の施術につきワキに注射を何回か行います。回数は何CCかによると思いますが、チクっとして痛いですが我慢出来ます。もし我慢出来ない場合はクリームタイプの麻酔を塗ってくれます。私は初回は麻酔なしで我慢しましたが、ちょっと痛かったので2回目以降は麻酔をしてもらいました。麻酔があれば痛くありません。ちなみに出血等は一切ありませんでした。
ボトックス注射の持続期間
ボトックス注射のデメリットをあげるとすると効果がずっと持続する訳ではない点です。個人差がありますが、普通は半年から1年くらいで効果がなくなっていきます。効果がなくなってくると少しづつワキ汗をかくようになりますので分かります。その場合はまたボトックス注射を打たなければいけません。私の場合は半年程度でしたが、個人的には半年でも十分でした。それまで毎日ワキを気にしていたのが半年も気にしなくて良くなったのです。これは衝撃の体験で迷わず2回目のボトックス注射を行いました。ボトックス注射の効果が出ている時はもう制汗スプレーも必要なく、ワキに関する全ての悩みを解決することが出来ました。
ワキガ対策・手術
ワキへのボトックス注射で満足していた私ですが、長期の休暇の時に思い切って手術をすることにしました。手術は根本的にワキ汗とニオイの原因を取り除くことが出来るので魅力的です。ワキの手術には主に剪除法 (せんじょほう)・そうは法・吸引法というものがあります。
剪除法はワキに数cm程度メスを入れ少し長め直接アポクリン腺を確認しながら確実に切除していく方法です。傷跡は1年程度残ってしまいますが、その後は消えていくことが多いです。手術時間は片方で1時間前後です。ワキガの手術としては一番再発のリスクが少ない方法と言われています。
そうは法というのはワキへ特殊な機具を入れ、皮膚の裏側を引っ掻くようにしてアポクリン腺をかき出す方法です。ただ万が一失敗すると皮膚の壊死などのリスクがあると言われています。
吸引法は小さな切開から吸引器、あるいは超音波メスを入れてアポクリン腺を吸い出す方法です。手術も短時間で傷あとも 1 から 2cm と小さくて目立たないのが特徴ですが、アポクリン腺の取り残しが多くなり効果が不十分になるリスクがあると言われています。
この3つの内、私が選んだのは剪除法 (せんじょほう)です。先に結果から言うと効果は思ったほどではありませんでした。おそらくアポクリン腺の取り残しがあったのだと思いますが、こればかりは仕方ありません。ただまったく効果がなかったわけではなく汗の量は少なくなったのは間違いありません。ただ手術直後は患部が腫れかなり痛みがあり、その後も約2-3週間はズキズキとした痛みが残りました。また両ワキ同時に行いますので術後はとても不便です。学校や職場に行く必要がある人にはワキの痛みやワキの可動域が制限されたり、包帯で固定する必要があったりするのでおそらく通常の生活は無理だと思います。手術するのであれば1ヵ月ほど自宅で過ごせる期間がある時の方がいいかと思います。（※効果には個人差があります）
ワキ汗・臭いにお悩みならまずはご相談を 
まとめ
今回はワキガ（ワキの汗・ニオイ）について私自身が経験したことをお伝えしました。今悩んでいる人に一番おすすめなのはボトックス注射です。注射だけで手術も必要なく傷も残らず高い効果が期待できます。手術に関しての効果は病院や手術の出来次第な部分がありリスクがありますので慎重に検討した方がいいかもしれません。ただ成功すれば永久にワキのことで悩むことはなくなりますので一番効果が高いです。
もし今学生の方などはお金の問題でボトックス注射や手術が出来ないと思いますのでその時はおすすめした制汗スプレーや速乾消臭シャツなどを試して見てください。ただワキの悩みは本当に辛いと思いますので親に相談してボトックス注射のことを話して相談してみることをおすすめします。いろいろ個別の家庭事情もあるかと思いますが、相談することを恥ずかしいと思う必要はありません。たまたまワキに悩みが出てしまっただけであなたに非がある訳ではありませんので打ち明けてみて解決策を考えることが解決の第一歩になるかもしれません。
選べる治療法【ワキガ・多汗症治療】 
