【本当に他人事!?】失敗するお金の使い方 / フィリピン

フィリピンと困窮日本人

様々な縁があって退職金を持ってフィリピンへ行き、フィリピン人の恋人に結果的に騙されるケースがあります。傾向としては特に男性に多いですが、自分だけは大丈夫と過信し、言いなりになったつもりじゃないのに最終的には一文無しという事例は過去にたくさんあります。実際にフィリピンでホームレスのような生活をする様子を書いたノンフィクションの本まで出ています。
今回はそれを防ぐ為にいくつか具体的な対策も含めて書いていますので、自分は大丈夫だと思う人でも復習も兼ねて読んで見てください。

何が起こるのか

よくあるパターンですが、土地を、家を、車を、ビジネスを、という感じで、恋人で連れのフィリピン人と一緒に始めます。もちろん資金の出所は日本人です。そしてその恋人だけでなく、親をはじめ、兄弟、従妹、叔父、叔母、などいろんな人が登場します。これが必要、これをやったら儲かる、家族の為に医療費も出して、と様々な要求をされます。

そして気が付くと資金の底が見えてきます。一例ですが、フィリピンでは家を建てる際の見積書もその役割を果たしません。ほぼ確実に建設工事は遅れ、追加費用がかかります。見積書では出来ると書いてあると文句を言っても何の効果もありません。

信じ込むあまり、基本的な知識も持たず、言いなりになるか、知っていても言い出せない、信用しているので言わない、という具合で、最終的にお金がなくなると用無しになり、自分が苦労して貯めたお金を出しいるものの、名義や権利関係の一切が相手の名前になっている為に取り返すことすらも出来ません

ファミリー(スモール)ビジネス

はっきり言って99%のフィリピン人にビジネスセンスはありません。原価計算どころか足し算引き算、掛け算も出来ないことが多いです。顧客のニーズ、戦略、どれもトンチンカンで収支が合わないことをやります。手元にお金があればそれが全て純利益だと考えます。

その内キャッシュが回らなくなるか、おそらく早々に嫌になって廃業したりするでしょう。日本人の感覚からすると、フィリピン人に付き合ってなんちゃってファミリービジネスをすると、途中で嫌気がさします。何度言っても出来ないし理解しません。

悪口ではなく本当の事なので、ファミリービジネスは自分自身がやりたい時以外は手を出さないことをおすすめします。その理由はお金だけではありません。以下の大事な理由があります。

  • 頼めばすぐにお金を提供してくれると思われる
  • 失敗して関係性が変わる
  • 家族をはじめ親族を信頼できなくなる
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特になけなしのお金の場合は絶対にやめた方がいいでしょう。もしどうしてもやりたい場合は失敗覚悟です。初期投資を出来るだけ抑えて、パートナーのフィリピン人の金銭感覚を見極める必要があります。そして働きぶりをみながら本当に信頼が出来るかどうか考えます。この期間が数年です。裏切り行為がなく、運も味方し、需要やオリジナル性があれば、もしかすると上手くいくこともあるでしょう。

特に多い失敗事例

素人のフィリピン人が話すアイデアを聞き入れて、お金だけ出して、儲かったら〇割をもらうというような約束でビジネスを始める方が多いですが、自分でやらない場合はお金をドブに捨てるのと同じです

外国人のお金で、責任感と高い志を持ってビジネスの出来るフィリピン人はほぼいません。日本人でも同じです。失敗してもまったく痛手がないものに本気を出そうと思っても無意識レベルで難しいです。

オープンまでこぎつけてビジネスオーナーになったらそれで満足する場合すらあるのがフィリピン人です。

フィリピンでビジネスをやりたい場合は自分で全てやりましょう。最初は戸惑うと思います。商慣習の違い、税金、許可証の取得、従業員教育、売上管理、それらを一通りやってるうちに、自分のまわりにいる誰なら任せられるか分かります。そして少しづつ適材適所で自分の目の届く範囲で役割を振り分けます。

フィリピン人の労働感覚はまったく日本と異なります。そして仕事が出来るフィリピン人は100人に1人くらいです。地方に行けば行くほどそれは顕著です。もしビジネスをしたければ、まずは仕事が出来て裏切らない最初の一人を探す、巡り合うことが失敗を防ぐ第一歩です。

家、土地、車、その他

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フィリピンでは土地は外国人名義(フィリピン国籍者以外)では購入出来ません。よく外国人が土地を持っているという話が出るケースがありますが、それはコーポレーション(株式会社)名義です。個人の名義ではありません。

サブディビジョンやコンドミニアム(分譲マンション)であれば外国籍の個人でも可能です(※一部ビザの要件有)。車、バイク、等も現金一括であれば誰でも購入可能です。
車やバイクなども外国人名義では買えないなどと言って、連れのフィリピン人などの名義で買わされることがありますが、そんなことはありませんので注意しましょう。

フィリピン人の配偶者が土地を買い、そこに家を建てる場合は、土地はフィリピン人名義、建物は外国人名義で可能です。ただこの辺りは一概には言えません。フィリピンの不動産情報に精通している必要があり、インターネット上で不確かな情報を得てそれを信じることは危険です

ここでは根拠のないことは書きません。なぜなら私がその専門家でないということと、自分で調べたとしても複雑で全て理解することは出来ないからです。特に土地、建物の名義に関しては専門家を頼ることが一番です。

まとめ

フィリピンに来て最初の数年で問題に直面し、後悔するケースが多いです。フィリピンには旅行でしか来たことがない、言葉も分からない、恋人や連れを信用するしかない、という状況において、気付かないうちに相手のペースで物事が進みます。
あなたが何かを頼まれて、それを断るのに、流暢な英語や現地の言葉を喋って理由を説明する必要はありません。NOというだけです。理由を言ってもここに書いたようなことを理解してはくれません。
もしそれで関係にひびが入るようであれば、結局それまでの関係です。むしろ金銭的被害がなくて幸運とさえ言えます。

私は過去に日本人だけでなく、たくさんの失敗した外国人の話を聞いてきました。フィリピン人にも生涯のパートナーと成り得る人はいます。ただそれを判断することが難しいという話です。
フィリピンで不要不急で買わなければならないもの、始めなくてはいけないビジネスがあなたの中にあるのであれば、その為にずっと準備・計画していたはずです。もしそうでないなら、思い付き、言いなりになって行動を起こすのは失敗の始まりですので止めておくことをおすすめします。

フィリピン人女性を追いかけてフィリピンに渡り、果ては無一文になった「困窮邦人」数人の話。第9回開高健ノンフィクション賞受賞作。

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