【毎年流行】全部分かるフィリピンのデング熱/症状と費用 – PHILESSONブログ

【毎年流行】全部わかるフィリピンのデング熱/症状と費用

フィリピンデング熱

デング熱はフィリピンでは「デンゲ」や「デンゲフィーバー」と呼ばれており、基本的に毎年流行しています。通年で感染者はいますが、特に雨季の始まりである6~8月は雨の日が多くなり、蚊の活動も活発になることから感染者数が増える傾向にあります。

デング熱感染者数

フィリピン保健省によると2018年は約20万人、2019年は42万人以上の感染者が報告され、大流行した2019年の死者は1,500人以上となっています。

デング熱とは

ネッタイシマカなどの蚊によって媒介されるデングウイルスの感染症です。デングウイルスはフラビウイルス科に属し、4種の血清型が存在します。比較的軽症のデング熱と、重症型のデング出血熱とがあります。

厚生労働省検疫所
デング熱ネッタイシマカ
ネッタイシマカ / 学名 Aedes aegypti

デング熱は蚊にさされることにより感染します。ウイルスには4種類の血清型(DEN-1、DEN-2、DEN-3、DEN-4)がありますが、一度感染して回復した場合、その1種類に対しての免疫は生涯続きます。ただし、その他の3種類には感染し、種類の違う2回目の感染の場合に重症型のデング熱になるリスクが高まります。潜伏期間は3~14日間です。

症状

症状はインフルエンザに似ています。主な特徴としては、急な高熱(40度前後)、食欲不振、頭痛、眼痛、全身痛(関節痛含む)、吐気、悪寒、発信(皮膚の紅潮)です。発疹の症状はすぐには現れず、高熱等の症状が出た数日後から身体に少しづつ出来ます。症状は人それぞれですが、急な高熱が出た場合はデング熱を疑いましょう。

デング熱の検査

デング熱はフィリピンでは珍しくありませんので、総合病院であれば検査可能です。検査方法は血液検査を検査しデングウイルス陽性か陰性かで判断します。

また特徴的な症状としては血液中の血小板値の低下が見られます。ただ感染し発症後にすぐには血小板の値が減少せず数日後に症状が出ることが多いです。
※正常な血小板値(フィリピンでの表記150~450 ※×1,000ミリ立方メートル)

初期の対処法

まず急な高熱が出たら自宅で安静にしましょう。食欲はないと思いますが、出来るだけ食べることが必要です。また食べれなくても絶対に水分(理想はポカリスエット、アクエリアス)だけはこまめによく取りましょう。フィリピン人に言うと、デング熱に効くと言われるタワタワという植物を使った飲み物を作ってくれることもあります。

デング熱に効くタワタワ
タワタワ。これをお茶にして飲む習慣があります。

注意すべきこと

市販の風邪薬は避けましょう。逆に症状を悪化させることがあります。基本的にデング熱に直接作用する薬はありません。急な高熱が出た場合は、つらいですが、市販の薬を飲まずに数日様子を見ましょう

内臓疾患のある人はより注意が必要です。血小板値が低下すると、出血を抑えられなくなり内臓出血の可能性があります。該当する人は場合は早めに病院へ行き、医師に相談する必要があります。

怪我に注意しましょう。血小板値が下がっている時に、頭などを強打して内出血した場合は血が止まらなくなる可能性があり危険です。特に頭部の怪我には気を付けましょう。症状がひどい場合には外傷がなくても出血することもあり、そこまで行くととても危険な状態です。

周りの人に感染させないように注意が必要です。デング熱は人から人への直接の感染はありませんが、感染者から蚊を媒体として、他の人に感染可能性は高いです。つまり既に感染した人が蚊にさされ、その蚊が他の人をさすと感染し発病することがあります。

毎年死者が出ています。デング熱を甘く見るのはやめましょう。通常は1週間から2週間ほどで血小板の値が正常になり、症状も徐々に収まって回復することが多いですが、ただその場合でも体力が回復するまでには数週間かかります。

基本的に安静にし、栄養を取っていれば回復するケースが多いですが、熱が下がり、症状が和らいでも血小板値が正常に戻ってないことがあります。血液検査でしか分かりませんので、症状が出て自宅安静後、2~3日後を目安に病院に行き検査しましょう。血小板値のよって入院等の措置になる場合があります。

病院

入院が必要となった場合、通常は定期的な採血で検査しながら、点滴、薬(解熱、鎮痛剤等)で安静に病室で過ごすだけです。
血小板値が極端に低い場合は血小板輸血が必要な場合もあります。その場合は重症となっている可能性がありますので、そうなる前に自分で判断せずに、病院に行き、安静にし適切な対処をすることが大事です。

費用

病院と部屋のランクによります。目安としては1週間で10万円前後です(薬代、診察や検査費、個室入院費等すべて込み)。1週間のうち後半の3日間だけ入院した場合は4万円前後が目安になると思います。

入院時の注意

個室
まず大部屋ではなく個室をお勧めします。大部屋の場合はたくさんのフィリピン人がお見舞いなどで出入りしてゆっくり出来ません。

付き添い
フィリピンでは入院時に自分の世話をしてくれる付き添いがあるのが一般的です。

お金
1週間で4~5万ペソ程度の現金を目安に持って行きましょう。フィリピンでは入院の途中でいろいろと支払いがあります。クレジットカードが使える病院の場合はクレジットカードでも大丈夫ですが、薬は窓口が別で現金でしか買えないなどがありますので、ある程度の現金も持っていきましょう。

保険
日本の国民健康保険加入であれば、帰国後に申請すれば保険が対応されます。その他の保険(クレジットカード等)でも同様ですので、医師のサイン入りの診断書を貰い、レシートは全て保管しましょう。
診断書は英語で決まった書式である必要がありますので、フィリピン渡航の際は事前に保険会社等に確認し、持っていくとスムーズです。予備としてコピーを複数枚も持って行きましょう。

※デング熱で入院した時も持っているだけで保険が適用される海外保険付帯のクレジットカード(自動付帯・年会費無料)

その他補償内容
デング熱 海外保険
携行品(持ち物)の破損や紛失にも対応で便利

予防

まずデング熱にかからないことが一番大事です。蚊に刺されなければ感染しません。
フィリピンでは蚊取り線香がカトルと呼ばれており、至る所で売られています。また肌に塗る蚊よけクリームもあります。

フィリピンの蚊取り線香
フィリピンではカトル、モスキートコイル等という名称

また肌を露出させないことも重要です。蚊は水回りや捨てられたタイヤ付近に多く、活動が活発になるのは早朝と夕方です。

旅行の際などは虫よけスプレーや、部屋にはベイブなどを1日1回プッシュしましょう。その他のアリや虫にも効果がありますのでフィリピンでは便利な必需品です。

いろいろ試した結果、蚊にもアリにも虫にも一番効果があったのはフマキラーのおすだけベープ
虫よけクリーム
通称オフローション

またに日本のTVでも紹介されましたが、蚊は足の裏の常在菌に惹きつけられることが検証されています。足の裏をアルコール消毒することにより、蚊に刺されにくくなるという実験結果も出ています。

まとめ

フィリピンではデング熱は珍しくありませんが、重症化したり、死に至る危険な病気です。フィリピンに滞在する場合は、蚊への対策と最低限の知識を持つことが必要です。

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